程野に砂防堰堤下の流路を、コンクリートを使わずに自然石の石組みで施工している箇所があります。かなりの急傾斜のところをコンクリを使わないというのは非常にめずらしいのではないでしょうか。昨年の台風、今年の台風でも全く壊れることなく機能を維持しています。この施工は西日本科学技術研究所の福留所長と石工の小松さんの指導のもと、高知県の土木職員や市町村職員の若手が施工したとのこと。素晴らしい!ですね。
下から見たものです。石組み工法は土佐の伝統的な組み方
「土佐積み」の“くずれ積み”を採用しているとのこと。非常に自然に見えます。知らない人が見ると施工しているかどうか判別しがたいですね。しかし強度は相当なもののようです。
上から見たものです。きれいに、たまりを造っては落とす「ステップ&プール」の技法を使っています。
たまり(プール)のところには楓の落ち葉が貯まりいい雰囲気です。生き物、生態系にもいい配慮になります。
護岸もこんな感じです。一定ではなく渓流の岸の雰囲気がよく再現されています。
この箇所はこの区間を受注した業者が上記区間を見習って施工したものと思いますが、やはりだいぶん違っています。護岸は一定の石張りになり変化がなく、いかにも人工的です。河床も石の組み方はうまくいっていますが、一定であるのとステップ&プールができていません。故にどの箇所も同じ断面になっています。やはりどちらが、渓谷の程野に似合っているか明白ですね。
研修を受けた県の技術者の方々頑張ってください。
それと、こんな素晴らしい石組み技法が土佐にはあります。後継者が非常に少ないようです。この技法を残していく対策がほしいですね。もっと砂防工事等で採用してほしいものです。